☆秋深まり紅葉見ごろ 能登地震の公費解体は年末までに完了

きょうの金沢は雨模様で日中の気温は15度と秋の深まりを感じる一日だった。市内で買い物をした帰りに、兼六園周辺を車で走ると紅葉が見ごろとなっている場所がいくつか目に入ってきた。その一つが金沢市役所近くにある「しいのき迎賓館」(旧県庁)と「四高記念館」に挟まれた通りで、「アメリカ楓(ふう)通り」と呼ばれている。樹木のアメリカ楓は別名で、正式には「モミジバフウ」。原産地がアメリカだったことからアメリカ楓と呼ばれている。空を見上げると赤と曇り空のコントラスが目に映える=写真・上=。

兼六園にも「紅葉山」とも称される名所がある。本来の名称は「山崎山」。高さ9㍍ほどの、いわゆる築山(つきやま)、造られた山だ。雪吊りの唐崎松の雰囲気とはまったく異なる景色で、カエデやトチノキなどが赤や黄に色づく。山頂にある茅葺き屋根の四阿(あずまや)からは兼六園の紅葉、そして雪吊り作業の様子を見渡すことができる。天気予報ではあさって11日から晴れ間がのぞくようだ。

話は変わる。このブログで何度か取り上げているが、去年元日の能登半島地震と9月の能登の記録的な大雨で損壊した家屋の公費解体が遅れている。石川県の馳知事はこれまで10月末の完了を明言していたが、おととい(7日)の記者会見で10月末時点で公費解体を終えたのは申請棟数の95%に当たる4万56棟だったと述べた(地元メディア各社の報道)。そして、残り2106棟については、年内の完了を目指すと完了目標を切り替えた。

現実はどうか。地震と豪雨で被害が大きかった能登北部は輪島市(申請件数1万2523棟)で解体率は95.8%、珠洲市(同8449棟)は同98.7%だが、半島の中部に位置する七尾市(同7175棟)は同83.3%にとどまっている。七尾市での解体作業が遅れているような数字だが、同市では解体作業に戸惑う被災者への配慮から申請期限を8月末までとしたことが影響しているようだ。輪島市などは5月末を申請期限としていた。申請が遅れた分、解体作業は後回しとなったようだ。(※写真・下は、倒壊したままとなっている輪島市中心街の寺院=ことし10月23日撮影)

七尾市が公費解体の申請期限を輪島市や珠洲市になどに比べ遅らせたのには理由があるようだ。自治体が経費を全額負担する公費解体は家屋の損壊が「半壊以上」の被害認定を受けることが必要となる。一方で半壊以上の家屋には修理費用の一部(限度70万円)を自治体が負担する「応急修理制度」もある。ここで半壊の被災者は迷うことになる。解体か修理か、と。以下憶測だ。輪島市、珠洲市は震度6強以上の地区が多く、七尾市は震度6弱の地区が多かった。この揺れの強弱の違いで、同じ半壊でも多少の違いがあったのではないか。公費解体を行い新築するか、あるいは修理して住み続けるか。思い悩んだ被災者が七尾市では多かったということだろうか。

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