☆公明が自民との連立離脱 さらなる「少数与党」化どうなる

「少数与党」という言葉を嫌ったの石破総理ではないだろか。おそらく「少数」という言葉が気に入らないのだろう。その代わりに石破氏は「比較第1党」という言葉を使っている。意味は同じで、選挙や議会において単独で過半数を獲得していないものの、他の政党と比較して最も多くの議席を獲得した政党を指す。普段使いの政治用語ではない。マスメディアが「比較第1党」という言葉を使ったのを見聞きしたことがない。ここに来て、自民党政権はますます「少数与党」化していくことになった。

メディア各社の報道によると、公明党の斉藤代表は10日の自公党首会談で、自民の高市総裁に対して連立政権から離脱する方針を伝えた。公明側は連立の条件として派閥裏金事件の真相解明と企業・団体献金の規制強化を求めていたが、高市氏が回答を保留したため、斉藤氏は「政治とカネ」の対応が不十分だ断じたようだ。自公の連立は1999年10月に始まり、野党時代をはさんで26年間続いてきた。公明側の離脱で、高市氏は今月20日以降に召集される臨時国会で首班指名されても、少数与党による困難な政権運営を迫られることになる。(※写真は、公明党との党首会談後、記者団の取材に応じる高市総裁=自民党公式サイト)

高市氏はきのう(9日)夜のNHK番組で「自公連立は基本中の基本だ。政策合意文書を早くつくれるように頑張る」と述べていただけに、四半世紀におよぶ協力関係が白紙に戻ったことは相当なショックだったに違いない。

この事態についての野党側の反応はどうか。メディア各社の報道によると、自民と連立を組む可能性が指摘されている国民民主の玉木代表は、今後の可能性について否定的な見解を示した。「公明党が抜け、われわれが政権に加わっても過半数に届かないので、あまり意味のない議論になってきている」と国会内で記者団に述べた。自民との向き合い方に関しは、「政策本位で、進めるべき政策があれば協力していく」と説明。公明については「生活者の立場に立った政策や中道政党ということで重なる部分が多い。かなり共通して歩めるところがある」と語った(10日付・共同通信ニュースWeb版)。

野党第1党の立憲民主の野田代表は、公明が自民との連立離脱を表明したのを受け、首班指名選挙での野党間の候補一本化に重ねて意欲を示した。国会内で記者団に「野党連携へ各党の理解が深まってきている。丁寧に共闘を呼びかけたい」と述べた(同)。

さらなる「少数与党」化が進めば政権運営が困難となり、野党連合が頭をもたげて逆転のチャンスを狙うだろう。日本政治の転機となるのか、混迷が深まるのか。

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