秋分の日が過ぎて、日が暮れるのがめっきり早くなった。季節は急ぎ足で秋に向かっている。そんなことを感じさせるのがスーパーかもしれない。近所のスーパーに行くと、柿やナシ、イチジク、ブドウなどの果物や、金時草など加賀野菜も売り場に並んでいて、色鮮やかな実りの秋が目に飛び込んでくる。そして、秋は新米の時季でもある。石川県の新米の主要銘柄は、このブログで何度か紹介した「ゆめみずほ」、「コシヒカリ」、そして「ひゃくまん穀」だ。売り場に行くと、ひゃくまん穀がキャリーカートに積まれて並んでいた=写真・上=。県産ブランド米の3銘柄が店頭にそっていて、実りの秋本番を迎えたようだ。

ただ、値段を見て身を引いた。店頭価格は5㌔袋で4947円(税込み)だ。去年は2800円余り(同)だったので、7割ほど価格がアップしている。今月12日付のブログでも述べたが、同じ県産米の「一粒のきらめき」は5㌔税込み5379円だ。去年の新米は同2312円だったので、倍以上の値段になっている。7割、そして倍以上、コメの価格高騰は続いている。それでも、新米を買い求める客が次々と訪れていた。昔からよく言う、「冷めてもおいしい新米」と。
そして魚売り場に行くと秋の味覚、サンマが並んでいる。塩焼きの価格が1匹359円。「ただ今 焼きたて」「当店で焼きました!」と貼り紙がある=写真・下=。こんがりと香ばしいにおいがしたので1匹購入した。店員の話だと、ことしのサンマ漁は東北から北海道にかけて昨年より好調な水揚げが続いていて、価格も去年より3割ほど安いようだ。

サンマの塩焼きを見ると、子どもの頃を思い出す。「魚をきれいに食べる」とほめられたこときっかけで、身をほぐして食べるようになった。友人から、「ネコまたぎ」と言われた。ネコもまたいで通り過ぎるくらいに身を残さず食べる、との意味だ。ほめ言葉ではないが、そう言われても悪い気はしない。それがいまも続いている。
影響を受けたのは父親からだった。父親はご飯茶碗にその骨を入れ、熱湯を注ぎ、醤油を少したらして、すすっていた。「これが一番うまい」と。確かに晩酌をしながら、酒の肴にサンマをつつき、食べ終えて口直しに骨湯をすするというのは理にかなっているかもしれない。自身はそこまでしていないが、究極のサンマの楽しみ方なのかもしれない。
きょうは大相撲秋場所14日目。地元石川県出身の横綱・大の里は大関・琴桜の休場による不戦勝で13勝1敗となった。単独首位のまま千秋楽を迎え、優勝決定は2敗の豊昇龍との横綱同士の結びの一番に持ち越された。これも楽しみだ。
⇒27日(土)夜・金沢の天気 くもり