☆底引き網漁が解禁 金沢の近江町市場を彩る旬の海の幸

きょうは朝から熱風が吹いている。金沢の最高気温はきのうと同じ36度の予想(日本気象協会「tenki.jp」公式サイト)。気象庁と環境省による熱中症警戒アラートはきょうも石川県に出されていて、ことし37回目(初回7月4日)となる。年間の発出回数はこれまで2023年の36回が最多だったので、記録を更新したことになる。この猛暑、いつまで続くのか。

この暑さの中できのう1日、日本海側の底引き網漁が解禁となった。底引き網漁は、袋状の網を海に入れて海底の魚をとるやり方。ある意味で一網打尽の漁法なので、海の資源を守るために7月と8月を禁漁とする期間を設けている。きのう漁が解禁、きょうが初競りの日で、金沢のスーパーなどの鮮魚売り場はにぎやかしくなる。何しろ、地元で取れた魚なので鮮度が違う。普段見かけることもない魚も並び、売り場では「底引き解禁だよー」と声が響くのがきょう2日だ。

午前中、「金沢の台所」でもある近江町市場をのぞいた。鮮魚店の売り棚には、水揚げされたばかりの甘エビやカレイ=写真=、ハタハタ、メギス、ノドグロなどがずらりと並び、店員が「底引き解禁だよ、脂がのっておいしいよ」と張り切っていて、多くの客が初物を買い求めていた。隣の青果店ではナシやモモなどが店頭を彩っていて、里山里海の味覚の秋の雰囲気を醸していた。

地元メディアの報道によると、解禁日に向けて8月31日夜に出漁した底引き網漁船は県内の各漁港から延べ72隻に上った。石川県沖の底引き網漁は、台風などのため2年連続で9月1日の解禁日に漁を開始できなかったので、ことしは3年ぶりに解禁初日に水揚げが始まったことになる。ただ、初日は海はあいにくのシケ。このため、漁を午前中に切り上げ、港に戻った漁船もあったようだ。きょう2日午前3時半から金沢市中央卸売市場で初競りが行われたが、初競りの入荷量は11.7㌧と例年の6割程度だったという。

去年元日の能登半島地震で漁港の海底が隆起したことから漁船を港外に出せず、11月になってようやく出漁が可能になった輪島漁港の底引き船団25隻もことしは解禁初日に初物を求めて出漁した。輪島沖では、ノドグロやカレイ、マダイなどが採れる。こうして底引き網漁の解禁日のニュースや近江町市場で並んだ初物を見ると、震災を超えて旬の味覚の日常が戻ってきたようで消費者の一人として率直にうれしくなる。

⇒2日(火)午後・金沢の天気  はれ