☆食品添加物などの排除に動くトランプ政権 これが世界の手本となるか

関税交渉やロシアのプーチン大統領との首脳会談など、アメリカのトランプ大統領の一挙手一投足が注目されているが、中には割と地味で共感できる政治交渉もあるようだ。トランプ政権がポシリーの一つに掲げているのが、「MAHA(Make America Healthy Again)」。アメリカを再び健康に、とのスローガンでトランプ政権はことし2月にMAHA委員会を立ち上げ、食品添加物や清涼飲料水に含まれる人工甘味料の規制に動いている。

ABCニュース日本語Web版(7月17日付)によると、トランプ大統領は先月16日付のSNSで、アメリカ飲料大手のコカ・コーラが国内で販売する飲料にサトウキビ由来の「本物の」砂糖を使用することに合意したと発表した。コカ・コーラは現在、アメリカ国内で流通する飲料にコーン・シロップ(トウモロコシの澱粉を酵素や酸で分解し糖に変えた糖液)を使用しているが、健康への影響を懸念する声も上がっていた。トランプ氏は「アメリカ国内の製品に『本物の』ケーン・シュガー(サトウキビ糖)を使用することについて、コカ・コーラと話し合ってきた。彼らはそうすることに同意した」、「コカ・コーラの責任者全員に感謝したい」と投稿している。(※写真は、アメリカの政権中枢であるホワイト・ハウス=Wikipediaより)

このアメリカでの食品添加物などの規制の動きは広がっている。きょうの日経新聞web版(12日付)によると、アメリカの乳製品企業が多く加盟する業界団体、国際乳食品協会(IDFA)は先月、アイスクリーム大手など数十社が、2027年12月末までに国内市場向けのアイスクリーム商品で合成着色料を不使用とする方針に合意したと発表した。また、加工食品大手のクラフトハインツとゼネラル・ミルズも、それぞれ2027年末までに国内で販売する全商品で合成着色料を不使用とする方針を表明した。トランプ政権下でロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官が食品業界に対し、使用廃止への圧力を強めているのが背景にあるようだ。日本企業も対応を迫られることになる。

日本でも以前から食品添加物や人工甘味料は腸内の細菌に悪影響を与える、あるいは子どもに本来必要な栄養摂取を妨げになるなどと規制の対象を広げてきた。トランプ政権はMAHAをスローガンに一気に排除に乗り出している。これが、世界各国の手本となるのかどうか。

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