停滞する前線の影響で石川県内は大気の状態が不安定となっていて、とくに能登ではきょうも時折、激しい雨が続いている。このため輪島市は大雨で土砂災害が発生する危険性が高まっているとして午後3時までに9地区の4974世帯9778人に避難指示を出した。珠洲市も午後3時に市内全域にあたる5669世帯1万786人に、穴水町は2地区の2563世帯5347人に、能登町は2地区の78世帯174人に避難指示を出した。

また、石川県と金沢地方気象台は土砂災害の危険性が高まっているとして、輪島市、珠洲市、七尾市、穴水町、能登町、志賀町に土砂災害警戒情報を発表している。降り始めから10日夕方までの雨量は珠洲市で114.5㍉、輪島市三井で112.5㍉、同市門前で97.5㍉となどなっている。あす11日夕方までの24時間に降る雨の量は、いずれも多い所で加賀と能登ともに100㍉と予想されている。さらに12日にかけては能登を中心に警報級の大雨となる可能性があるとしている。(※図は、日本気象協会「tenki.jp」公式サイト「石川県の雨雲レーダー」)

7日に線状降水帯が発生し、金沢市は12時間の雨量が331.5㍉と記録的な大雨となった。なかでも冠水被害に見舞われたのが同市大浦地区だった。メディア各社の報道では、地区の道路は数10㌢の高さまで水に浸かり、住民は近くの小学校に避難していた。避難指示が解除されたのは8日午前6時半だった。きょう現地に行くと、水に漬かった家具の運び出しや泥の撤去作業が行われていた。
大浦地区近くの「こなん水辺公園」が災害ごみの仮置き場になっていて、使えなくなった家電製品などが次々と持ち込まれていた=写真=。受付にいた市の担当者に尋ねると、持ち込むことができるのは、木でできた製品や金属、家電、畳などで、ガスボンベや灯油などは対象外とのことだった。仮置き場は今月24日まで設けられ、午前8時半から午後4時まで無料で受け入れている。
また、こなん水辺公園の近くには金沢競馬場がある。豪雨で馬の厩舎など敷地内が水に浸かり、競走馬の一部は別の場所に避難していて、このためレースはしばらく中止のようだ。記録的な大雨の影響はいろいろなところで出ている。
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