きのう金沢は線状降水帯の影響で激しい雨が降った。7日正午までの12時間の雨量は331.5㍉と観測史上最大で、8月の平年の1ヵ月分の1.8倍の雨がわずか半日で降った。今月5日までは連日、強烈な暑さが続いていた。4日には小松市で40.3度の酷暑となるなど日照り続きで水不足が心配されていた。金沢の7月の降水量はわずか37.5㍉で、平年値の16%だった。去年9月に奥能登で降った48時間で498㍉の「記録的な大雨」を含めると、酷暑と豪雨という気候変動のリスクを抱え込んだようだ。

きのう金沢での豪雨の様子をテレビで視聴していて、聞きなれない言葉が飛び交っていた。「アンダーパス」。立体交差の道路や鉄道などの下をくぐるように掘り下げて作られた道路のこと。ニュースで取り上げられていたのは、大雨で冠水したアンダーパスに乗用車が進入して水につかり、エンジンが停止状態になったケースが相次いだこと。隣県の富山県高岡市ではアンダーパスで、車が水没しているのが見つかり、消防隊が乗っていた80代の女性を救助したとニュースも流れていた。
きょうその一つ、金沢市に接する野々市市扇が丘のアンダーパス=写真=の現場を見てきた。ニュースによると、きのう午前9時40分ごろに冠水し、乗用車2台が立ち往生した。運転者はそれぞれ自力で脱出した。車が進入したときの水位は30㌢から40㌢ほどだったが、当時、交通規制などは敷かれていなかった。現地ではすでに車は引き上げられ、アンダーパスの冠水も解消していた。
以下、現地で思ったこと。道路に設置されている標識や冠水情報板を確認することがもちろん重要なのだが、うっかりと冠水したアンダーパスに入り込んでしまった場合どうすべきなのか。まず、くぐり抜けようと思わないこと。ネットで検索すると、ボンネットの近くまで水が来てしまっている状態では、確実にエンジンの中まで水が入っているので、絶対にエンジンはかけない。エンジンをかけた瞬間に火花が散って、そこから火災につながる危険性もあるようだ。まず、ドアを開けて脱出する、ドアが開かない場合は窓を割ってでも車外に脱出することだ。この窓ガラスを割るという作業は人手ではできない。そこで、脱出用ハンマーを常備しておくことも大切との解説もある。
それよりも何より、集中豪雨の際はアンダーパスに近づかないことを肝に銘じたい。あるいは運転そのものを控えるしかない。
⇒8日(金)夜・金沢の天気 はれ