連日、強烈な暑さが続く。きのう小松市で40.3度と全国一番の酷暑となり、金沢でも自宅近くの街路の温度計は37度だった。きょうの予報は金沢で35度、曇り時々雨となっているが、街路の温度計は午前中ですでに36度になっている。そして、暑さとともに今後の水不足が心配される。金沢の7月の降水量は37.5㍉だった。同月の平年値は233.4㍉なので16%と何とも心細い。

田んぼは水不足に陥っていなか、きょう午前、石川県内の穀倉地帯でもある手取川周辺に広がる田んぼの様子を見に行った。田んぼの水は手取川から引水していて、渇水の状態ではなかった。ただ、手取川もダムの貯水率が34.6%(5日午前11時時点)となっていて稲刈りの時期まで持つかどうか。持たなければ、田んぼと同時に県内の人口の7割の水道をまかなっているだけに懸念が高まる。
そんなことを思いながら田んぼを眺めていて、ふと気が付いた。田んぼの畔に黄色い旗や白い旗がところどころに立っている=写真・上=。金沢の田んぼでは見たことがない。黄色い旗は水不足に陥っているとのしるしかとも考えたが、現地を見るとそうではない。そこで、近くのJA支所に電話で尋ねた。田んぼの害虫防除の時季なので、小型ヘリやドローンを使って農薬を空中散布する。黄色い旗の田んぼはJAが担当、白い旗は農家が独自で行う、との意味のようだ。「スマート農業」の旗印か。

田んぼに関して、ビッグニュースが流れた=写真・下=。石破総理はきょう5日午後、官邸で開いたコメに関する関係閣僚会議で「コメの舵を切る」と表明した。主食用米の価格を維持するために長年続けてきた「生産調整」の政策を見直す。猛暑による生育不振のリスクを意識し、水を張らないでつくる栽培方法などへの新たな支援制度も創設する。農家が意欲的にコメの増産に取り組めるよう、国内消費だけでなく海外市場へ積極的に輸出できる環境作りに「全力を傾ける」との政府方針を示した。コメの十分な供給力を国内に確保し、不作の際も柔軟に対応が可能な体制を目指す(5日付・日経新聞など各社)。
コメ増産への転換は、価格高騰を引き起こした「令和のコメ騒動」で消費者に大きな負担が生じたことや、減反政策による生産調整の限界が見えてきたことが背景にある。これを突破するためには、意欲ある生産者を政府が支援に回るとの、一大転換に動いたということだろう。スマート農業をはじめ、新たなコメ作りの未来に期待したい。
⇒5日(火)午後・金沢の天気 くもり時々はれ