★「石川の水がめ」手取川ダムの貯水率さらに低下 ハイテク産業への影響は・・

金沢市ではきょう(3日)も35度の猛暑との予報が出ていて、気象庁と環境省は石川県内に16日連続となる熱中症警戒アラートを発表した。ここまでくると気になるのが水不足だ。県内の人口の7割の水道をまかなっている「石川の水がめ」とも称される手取川ダムの貯水率は、以前ブログ(7月26日付)で述べた時点では48.5%だった。きょう午前ではさらに減って37.8%となっている(「石川県防災ポータル」より)。

先月25日に手取川ダムを訪れた際にダム上流の白山市白峰に行くと、河川は半ば干上がった状態のようにも見え=写真・上=、県民の一人として実に心細く感じた。なにしろ7月は雨が降らなかった。気象庁は、新潟を含む北陸地方の7月の降水量は平年の8%で、統計を開始した1946年以降の7月で最も少なかったとの速報値を発表している(今月1日)。まさに記録的な少雨だった。

では、今後の予報はどうか。8月前半は北陸地方などで曇りや雨の日が多くなり、平年並みかそれ以上の降水が予想されるものの、これまでの少雨を解消するほどの降水量にはならない可能性があるとの見方もある。

以下はあくまでも憶測だが、先端産業の関係者もこの少雨を案じているのではないだろうか。手取川の流域には、加賀東芝エレクトロニクスや金沢村田製作所、JDIといった半導体などを製造する大小含め50の先端企業が集積している=写真・下、いしかわサイエンスパークへの案内看板=。白山のふもとには地上に流れる手取川だけではなく、膨大な地下水がある。ハイテク企業の生産工場ではその地下水をくみ上げて、半導体の基板となるシリコンウエハーやプリント基板、液晶関連部品の洗浄に使っている。こうした洗浄水は不純物や酸性度、アルカリ度などが高くない、純水、真水に近いことが求められていて、白山の伏流水はまさに真水に近いのだ。

そして、洗った洗浄液は汚染に配慮しながら薄めて手取川に流すという作業を行っている。豊富な地下水と大きな川があるという立地が先端産業を支えている。今後、少雨が続けば飲み水や農業だけでなくハイテク産業に影響を及ぼすのではないか。

⇒3日(日)午後・金沢の天気   はれ時々くもり