「謹んでお受けいたします。横綱の地位を汚さぬよう稽古に精進し、唯一無二の横綱を目指します」。日本相撲協会はきょう28日、名古屋場所の番付編成会議と臨時理事会を開き、大の里(石川県出身)の第75代横綱昇進を正式に決めた。冒頭の言葉は、大の里が所属する二所ノ関部屋での昇進伝達式で述べた口上だ。去年9月の大関昇進の伝達式でも「唯一無二」の口上を述べていた。

きょう記者会見で再度「唯一無二」を口上に入れた理由について、大の里は「やはり考えて、この言葉しかないと思って、唯一無二ということばを当初は入れない予定で考えていたが、この言葉がぴったりだと思って入れた」、「もう伝達式を経験することはないし、最後の経験で横綱の口上にいれて、さらにこの言葉どおり頑張るという思いを込めた」と述べている。(※写真は、きょうの横綱昇進伝達式の模様を伝える地元紙「北國新聞」夕刊の紙面)
「唯一無二」は、「他にはなくただ一つであること」の意味で一般的に使われるが、大の里は「唯一無二の横綱を目指します」と述べているので、おそらく「突出した」、あるいは「ずば抜けた」という意味のニュアンスではないだろうか。大関昇進のときの口上は「大関の地位を汚さぬよう、唯一無二の力士を目指し、相撲道に精進します」だった。
現に大の里は活躍ぶりはまさに「突出」「ずば抜け」が当てはまる。2023年夏場所の初土俵から所要13場所での横綱昇進は輪島(石川県出身)の21場所を抜き、年6場所制となった1958年以降で最速となっている。これから横綱・大の里の「唯一無二」の土俵物語が始まる。
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