★これじゃ「たけのこご飯」が食べられない

自宅の庭先にヤマシャクヤク(山芍薬)とイチリンソウ(一輪草)が競うように白い花を咲かせている=写真・上=。山芍薬の白い花は丸いボール型に咲く、「抱え咲き」の花で、3日か4日で散ってしまう。花の命が短いだけに、けなげで清楚な感じがする。名前の由来の通り、もともと山中に自生している。根は生薬(鎮痛薬)として利用されることから、乱獲された時期もあった。今では環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に登録されている。花言葉は「恥じらい」「はにかみ」。日陰にそっと咲く。

イチリンソウ(一輪草)は「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」と称されるように、早春に芽を出し、白い花をつけ結実させて、初夏には地上からさっと姿を消す。一瞬に姿を現わし、可憐な花をつける様子が「春の妖精」の由来だろうか。1本の花茎に一つ花をつけるので「一輪草」の名だが、写真のように群生する。可憐な姿とは裏腹に有毒で、むやみに摘んだりすると皮膚炎を起こしたりする。

庭の花を横目に、きょう(24日)午前中、久しぶりに近江町市場を歩いた。季節ごとに行きアワビやサザエの夏、マツタケの秋、ズワイガニの冬、そしてタケノコの春の4回。市場内をめぐり、食して季節感を味わうこともあれば、手提げ袋が膨らむほど買う、あるいは空気だけ吸って帰ることもある。

青果店をのぞくと「地物」の札が付いたタケノコがずらりと並んでいる=写真・下=。大きなもので1本2500円や2800円などの値札がついている。正直「高い」と思って眺めていると、店主らしき人が話しかけてきた。「ことしはタケノコが採れない年で去年より3割ほど高くなっているんです」と。収穫量が少ない裏年でしかも旬の値段となれば、それも仕方ないかと思いつつも、「コメの値段もずいぶんと高くなっているし、タケノコもこれだけ高いと、たけのこご飯は食べられませんね」と言うと、店の人は苦笑していた。きょうは値札だけ見て帰ることにした。

⇒24日(木)午後・金沢の天気   くもり