これはショッキングな見出しだ。「The deadly secret of China’s invisible armada Desperate North Korean fishermen are washing ashore as skeletons because of the world’s largest illegal fleet.」(意訳:中国の見えざる艦隊の秘密 世界最大規模の不法船団のため、北朝鮮の漁民たちが骨のように海に投げ出されている)。アメリカのNBCテレビのWebニュースの特集で、日本海でのイカ漁のすさまじい現状をリポートしている=写真=。その見出しだ。
2019年12月27日に新潟県佐渡市の素浜海岸に打ち上げられた北朝鮮の漂着船から7遺体が見つかった。このほか、2019年に確認された北の漂着船は158件、この3年間で487件だ(第9管区海上保安本部報道資料)。
「The battered wooden “ghost boats” drift through the Sea of Japan for months」(打ち砕かれた木の「幽霊船」が何ヵ月も日本海を漂っていた)で始まるこのリポートを読んでみる。以下、要約。何年もの間、この恐ろしい現象に日本の警察は当惑してきた。気候変動によってイカの個体数が北朝鮮近海で減り、漁師たちは命からがら危険な距離の海に出て、そこで立ち往生して死にさらされれてきたと推測されていた。
中国が北朝鮮の漁業海域での漁業権を購入し、小型の北のイカ網漁船を追い払っている。漁場を奪われた北の漁船は、遠海に出て無理な操業をして、エンジン故障などで漂流し、日本の海岸に漂着するケースが増えてきたと解説している
。このNBCのリポートを心強く感じた。というのも、日本海での漂着船問題や、EEZ内での北の違法操業は、日本でも全国ニュースになりにくい。ローカルニュースなのである。NBCがこのように衛星データをもとに国連制裁決議を絡めて漂着船問題を報道することで、一気に国際問題になったのではないだろうか。
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