きのうテレビでニュース速報が流れた。黒田日銀総裁が「潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努める」とする異例の談話を公表したとの内容だった。すると午後に入って東京株式の日経平均は一時400円を超える値上がりとなり荒い展開に。終値は先週末より201円高い2万1344円だった。コロナウイルスの感染拡大は日銀総裁を動かし、そしてアメリカの連邦準備理事会(FRB)も揺さぶっている。
地元メディアもウイルス問題を連日報じている。石川県内の繊維メーカー(東証一部上場)は社員3人がコロナ感染したとして、今月2日から15日まで国内のグループ企業含め1300人に自宅待機を命じた。3人は2月10日から6日間、パリでの素材見本市のため出張し、帰国後に体調不良を訴えて、検査機関で陽性が確認された。同メーカーはその他の出張の同行者ら、濃厚接触の可能性がある33人を自宅待機にしている。今回の2週間の事業停止中は全社員が体調管理を徹底し、健康状態を記録するためのものだ(3日付・北國新聞)。
繊維メーカーの徹底した緊急措置の決断には敬服するが、地元ではある「風評」が出ていた。24日に1人目の感染が確認され、27日と28日にさらに2人の感染が確認された。そのさなか、地元紙には「ウイルスを高速分解 マスク、シーツ素材に」との大見出しで、同メーカーがウイルスを高速分解する効果のある新たな光触媒技術を開発したと報道された(2月28日付・同)。A香港型インフルエンザウイルスの接触試験では感染能力が6時間で99%低減する効果が確認されたという(29日付・北陸中日新聞)。
読者はこの記事に少々混乱したに違いない。自身もその一人だ。インフルエンザウイルスで光触媒技術を開発しているメーカーで感染者が出たのは何か因果関係があったのか、たとえばコロナウイルスとの何らかの接触があったのか、と。この画期的な新素材を使ったマスクでコロナウイルスを抑える実証実験をしてはどうか、と。それにしても、メディアへの発表のタイミングが余りにも悪い。
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