動画を見れば、一目瞭然だ。試合開始の早々に、日大のDL選手がパスをし終わった関学大のQB選手に真後ろからタックルを浴びせて倒している。QBが球を投げ終えて少し間を置いてから、わざわざ方向を変えて突進しているので、意図的なラフプレーだ。3プレー目でも不必要な乱暴な行為があり、5プレー目で退場となった。ここで疑問なのは、1回目のラフプレーでDL選手をなぜ退場にしなかったのか。明らかに「レッドカード」ではないのか。単なる見逃しであるならば、審判員に対してなぜ責任が問われないのだろうか。
これはあくまでも「スポーツの世界」であり、審判員が試合を適切に判断できないのであればスポーツは成り立たなくなる。監督が「つぶせ」と指示したとしても、審判員がそれを見逃さずに早々と退場にしていれば、よかったのではないか。それがスポーツの世界だろう。単なる見逃しだったのか、その判断を聞きたい。審判員としての釈明がなければ、逆に日大と審判員の関係性を勘ぐってしまう。
では、関東学生アメリカンフットボール連盟の見解はどうなのか。今月10日に、DL選手の1回目のプレーについて「試合中に審判クルーが下した『アンネセサリーラフネス(不必要な乱暴行為)』を超えるものである」と発表し、「追加的な処分の内容が確定するまでは、当該選手(DL選手)の対外試合の出場を禁止する」と処分を決めた。しかし、即退場としなかった当時の審判の差配は適正なものだったのかについては述べていない。関東学生アメリカンフットボール連盟は月内に臨時理事会を開き、日大の処分などを判断する方針だというが、審判の在り様の問題もぜひ説明してほしい。
今回の悪質なタックルの問題は、日大の「不誠実」とも取れる対応で、連日のようにニュースになり、いっこうに収束の気配が見えない。それよりなにより、スポーツがこのように刑事事件になるのは筋が違うのではないか。
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