会談の最大の焦点は「非核化」だ。韓国メディアはどう評価しているのか。現地ではさぞ「万歳」と会談を称える論調だろう思いながら、チェックしてみると意外と冷静だ。本日(28日)付「朝鮮日報」webサイトは社説で次のように述べている。以下抜粋。
「…北朝鮮の核廃棄については本当に深い議論が交わされたのか疑問に感じるほど、合意文書にはわずかな内容しかなかった。本来この会談が開かれた理由はただ1つ、北核廃棄がその目的だったはずだ。誰もがそのように期待した。もしこの問題で進展がなければ、他に何を合意しても何の意味もないからだ。ところが実際の合意文をみると、『非核化』という言葉は仕方なく入れたか、あるいは単なる装飾のように最後の項目にわずか3つの文章しかなく、その量は全体の10分の1にもならなかった。本当に必要なことはよくみえてこないが、それ以外のことばかり派手に書かれた合意文書だといっても過言ではない。…」
さらに「2005年の9・19共同声明に比べて後退している」とも。9・19共同声明では「北朝鮮は全ての核兵器と現存する核計画の放棄を公約した」と明記されていた。さらに「検証可能な韓半島の非核化」や「検証」についても明記されていた。しかし、実態は、それからわずか1年後、北朝鮮が最初の核実験を強行し、「韓半島に核という暗雲をもたらしたのは周知の事実だ」と懐疑的なのだ。
となると、はやり注目されるのは6月上旬までに開催されると予告されるアメリカと北朝鮮の「米朝首脳会談」だ。この会談でトランプ大統領が、いわゆる「リビア方式」のようなきっちりとした核廃棄の道筋(ロードマップ)が具体化するかどうかだろう。1)国際原子力機関(IAEA)による査察、2)核兵器・ミサイル装備などの解体、3)申告以外の疑わしい施設の査察、だ。
「演技はもういい」。まず、核廃棄のロードマップの合意、そして次に日本人拉致被害者の即時一括帰国だ。日本海側の海岸に今でも次々漂着している北朝鮮の転覆漁船のニュースに接していると、再度言いたくなる。「演技はもういらない」
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