日本海側の各地の海岸で北朝鮮の難破船がすさまじい勢いで流れ着いている。石川県だけでも、きょう羽咋市の海岸で木造船が1隻見つかった。今月11日にも加賀市の海岸で木造船が1隻、10日にも志賀町の海岸に2隻、9日にかほく市で1隻、7日に輪島市で1隻と、今月だけでも6隻が漂着している。1月には10日に7人の遺体が見つかった木造船が金沢市の海岸に、24日と28日に志賀町と羽咋市にそれぞれ1隻、計3隻が流れ着いている。ことしに入って石川県の海岸だけで9隻も、だ。船体にハングルと番号表記があり、船底が平らな同じ型の船だ。漁網などもあり漁船と推測される。船の大きさにもよるが、1隻に8人が乗っていたと仮定すれば72人の人命が失われている。すさまじい現実だ。
安倍総理が9日、韓国・平昌で開かれた文大統領主催のレセプション会場で、北朝鮮の金永南最高人民会議常任委員長と言葉を交わしたと報じられている。拉致問題と核・ミサイル問題に言及したとされるが、ついでに「日本海で無理な操業するから、多くの人民の命が失われている。漁を即中止するべき」と忠告すべきだったのではないか。
先月17日、金沢市の安原海岸で7人の遺体が見つかった北朝鮮の漁船を見に行った=写真=。船の周囲にもう1人の遺体がみつかっていて、遺体は8人。現場にはハングル表記の菓子袋が落ちていた。漂流する船の中で8人で細々と分け合って食べたのだろうかなどと想像した。日々ニュースに流れる美女軍団の笑顔の陰で日本海に漂う大量の木造船と遺体。日本のマスメディアが世界に伝えるべきは、この北朝鮮のあからさまな現実ではないのか。
⇒13日(火)夜・金沢の天気 ゆき