★核実験めぐる情報戦、そしてスルメイカ

  きょうお昼過ぎの朝鮮半島での揺れをめぐって、すさまじい情報戦争が始まっている。北朝鮮の朝鮮中央通信WEB版では速報が流れている(3日午後4時10分現在)=写真=。「조선민주주의인민공화국 핵무기연구소 성명–대륙간탄도로케트장착용 수소탄시험에서 완전성공」(朝鮮民主主義人民共和国の核兵器研究所声明 – 大陸間弾道ロケット搭載用スソタン試験で完全に成功)。スソタンは朝鮮語で「水素爆弾」のこと。

  さらに混乱するのは、「敬愛する最高指導者、金正恩同志が核兵器兵器化事業を指導した」と写真つきで核兵器について述べているが、核実験を行ったとは述べていない。

  一方、総理官邸のホームページでは、午後0時55分の「お知らせ」をホームページにアップしている、「北朝鮮付近を震源とする地震波の観測について」 1.平成29年9月3日12時31分頃(日本時間)、気象庁が、北朝鮮付近を震源とする地震波を観測しました。気象庁によれば、この地震は、自然地震ではない可能性があります。 a.発生時刻 平成29年9月3日 12時29分57秒 b.地震の震源、規模 北緯:41.3度 東経:129.1度 深さ:0km 規模 マグニチュード6.1 (参考)平成28年9月9日地下核実験時の地震 北緯:41.3度 東経 129.2度 深さ:0km 規模 マグニチュード5.3  2.政府としては、過去の事例も踏まえれば、北朝鮮による核実験の可能性もあるので、関係省庁幹部を官邸に緊急参集させるとともに、北朝鮮情勢に関する官邸対策室において、引き続き、情報の収集・分析を行っているところです。長々と引用したが、要点は核実験だというのだ。

   午後1時51分の「総理指示」で核実験と断定して、以下指示している。1.北朝鮮の今後の動向等に関し、情報収集・分析の徹底を期すこと 2.核実験に伴う放射性物質の影響を把握するため、関係各国と連携しモニタリング態勢を強化すること

   さらに午後2時45分の「総理声明」では踏み込んで、「今回の北朝鮮による核実験の実施は、関連する国連安保理決議の重ねての明白な違反であり、核兵器不拡散条約(NPT)を中心とする国際的な軍縮・不拡散体制に対する重大な挑戦である。また、日朝平壌宣言や六者会合共同声明にも違反するものである。我が国は、北朝鮮に対して厳重に抗議し、最も強い言葉で断固として非難する」と。

   水素爆弾だと主張する北朝鮮、核実験だと断定する日本、韓国。日本政府は放射性物質のモニタリングを実施することで核実験の裏付けを急ぐ。モニタリングは日本海上空の大気中のちりを収集することになるだろう。モニタリングで核実験だったと立証できたとしよう。すると今が盛りの日本海のスルメイカ漁、価格に影響が出てくるのではないか。そんなことも考えてしまう。

⇒3日(日)午後・金沢の天気   くもり