☆イフガオ再訪-6

  11月28日夜にイフガオ州に入った。マニラからチャーターしたバンで8時間余り。29日にはイフガオ州立大学長のセラフィン・ンゴハヨン(Serafin L. Ngohayon)氏を訪問。ンゴハヨン氏は、「金沢大学とのパートナーシップを確立したい」と述べた。同大学では地域の人々にエクステンションプログラム(生涯学習)を実施していて、今回のプロジェクト用にオフィスと研修室を提供したい旨の提案があった。

      フィリピン大学長「インターナショナルなプラットフォームに」

  イフガオ州政府とバナウエ、ホンデュワン、マユヤオの3町の行政の代表が参加して、プロジェクトの説明会を開いた。質問として「15人の受講生を選ぶクライテリア(基準)」、「プロジェクトの出口として、何をもって成功するのか。それは経済効果などの指標か」、「受講生に対するアローアンス(手当)はあるのか」、「受講が修了時にはどのようなスキル(技能)」、「3年のプロジェクト終了後の見通し」など。要望として、「15人の受講生は3町それぞれ5人ずつにしてほしい」との声が上がった。

  行政などの紹介でイフガオの住民15人が集まり、説明会を行った=写真・上=。プロジェクト代表の中村浩二教授が世界農業遺産(GIAHS)の概要、金沢大学が取り組む「能登里山里海マイスター」育成プログラムの内容をスライドを使って説明した。質問・意見の中で、「日本からの援助は期間が切れると人もいなくなる。継続性をもって実施してほしい」、「コミュニティーに溶け込んだ人をトレーニングしないと成果が還元されない」、「受講した若者はコースを修了することが経済的な利益につながるのか」、「小さな耕運機でよいので棚田に機械が導入したい」など。住民説明会で飛び交う言語はタガログ語ではなく英語だった。

  JICA草の根技術協力事業「世界農業遺産(GIAHS)『イフガオの棚田』の持続的発展のための人材養成プログラムの構築支援事業」を実施するにあたっての、JICA、金沢大学、フィリピン大学オープン・ユニバーシティ、イフガオ州政府、イフガオ州立大学は一連の協議を行い、プロジェクトを実施することで同意が成った。29日にイフガオ州知事、イフガオ州立大学長の署名を=写真・下=、30日にはフィリピン大学オープン・ユニバーシティ学長の署名を得た。30日にフィリピン大学オープン・ユニバーシティ学長のグレイス・アルフォンソ(Grace.Alfonso)学長を訪問。アルフォンソ学長は、金沢大学の人材養成プログラムが、イフガオで実施されることで「インターナショナルなプラットフォームなる」と期待した。

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