旅行中、kiwi(キーウィ)という言葉がいたるところに目につく。この国の国鳥でシンボルでもある。そして、ニュージーランドの人たちは自分たちのことをkiwiと読んだり、書いたりする。日本でキーウィといえばフルーツのことだが、語源はこの鳥である。
愛される鳥・キーウィ
現地の新聞で「BBQ is kiwiana」という文が目に止まった。BBQはバーベキューのことなので、バーベキューならキーウィの肉、かといぶかった。このKiwianaを英和辞書で検索しても出てこないので、現地の日本人ガイド氏に聞くと、笑いながら「そうですね、日本語で近いのは『ニュージーランド名物』とでもいいましょうか…」、「あえて訳せば『バーベキューはニュージーランド名物』ですね」と。
「キーウィ」と口笛のような声で鳴くため、ニュージーランドの先住民であるマオリ族からキーウィと名付けられたそうだ。ニワトリくらいの大きさで、飛べない。たくましい脚を持ち、速く走る。しかし、ヨーロッパからの移民とともにやって来たネコやネズミなどの移入動物の影響でキーウィは一時絶滅の危機に瀕したこともある。体の3分の1ほどの大きさの卵を抱くのはオスの仕事である。そこで、kiwihusband(キーウィハズバンド)と言えば、面倒見のよい夫のたとえだとか。
実は飛べない鳥はニュージーランドには5種類もいる。その中で、国のシンボルとなり、この国の人々の代名詞にもなりと、さまざまなかたちで言葉となるのは、背を丸めた、その愛くるしほどの姿ゆえか。オーストラリアのコアラ、中国のパンダほど世界的に有名ではないにしろ、ニュージーランド国民410万人に愛されている鳥なのである。
⇒29日(火)夜・金沢の天気 はれ