☆イタリア優勝と視聴率

 サッカーのワールドカップ(W杯)ドイツ大会を制したイタリア代表の選手団が日本時間11日未明に帰国し、ローマで優勝パレードが行われた。24年ぶりのW杯勝者となった英雄たちをたたえようとおよそ100万人が沿道や屋外の競技場に集まった、と新聞各紙が報じている。政府主催の祝賀パーティーで、プロディ首相は「努力と汗で目的が達成されることを若者たちに教えてくれてありがとう」と選手たちに感謝を表した。

  イタリアは今回で4度目の優勝である。まさにサッカー王国なのだ。そう言えば、ことし1月にローマ、フィレンツェ、ミラノを訪れた際も、街角にサッカーのCMのポスターが目立った。ごらんの写真は、ミケランジェロの「アダムの創造」をモチーフにしたポスターである。こんなポスターがあちこちに貼られていて、サッカ-が街の中に溶け込んでいるという印象だった。

 日本の話である。10日早朝にフジテレビ系で生中継された決勝戦「イタリア対フランス」の視聴率は延長戦開始前までは平均11.6%、延長戦以降の平均視聴率(関東地区)が16.6%だった(ビデオリサーチ社調べ)。この数字をどう評価するか。NHKが6月23日早朝に生中継した日本ブラジル戦は22.8%(関東地区)だった。実は、この数字は意味深い。この数字を04年8月13日未明から早朝に行われたアテネ五輪開会式の中継と比べると、その視聴率は12.7%(NHK、関東地区)だったので、少なくとも平均してオリンピック並みに視聴率が取れたわけだ。しかも日本チームが出場していない試合である。

 松井秀喜選手やイチロー選手がアメリカ大リーグに移籍してから、アメリカの野球をテレビで観戦する大リーグファンが増えた。同様に、サッカーの醍醐味を楽しむという習慣が日本人に定着してきた、ということなのだろう。未明から早朝の10数%というのは、相当の覚悟と意欲がないと視聴できない時間帯だけに、ゴールデンタイム(19時-22時)の数字より価値がある。その数字は、単なる視聴率というより、意識調査のようなものだ。「あなたは寝不足を覚悟でサッカーW杯をテレビ観戦しますか」…YES16.6%。

⇒11日(火)午後・金沢の天気  あめ