★完結・「真偽の攻防」を読む

  結局、残念な結果に終わった。ライブドアの堀江前社長が自民党幹事長の二男に3000万円の送金を指示したとするメールをもとに国会で追及したが、本物である証拠を示せずに辞意を示している民主党の永田寿康議員のことである。別に肩を持つわけではない。国会の「爆弾」が不発に終わり、自滅したことに対する惜別の辞である。

  不思議に思うのは、永田氏にガセネタをつかませた「フリー記者」なる人物である。今後のマスコミの話題は当分その点に集中しそうだ。というのは、永田氏をヤフーで検索すると、公式ホームページ以外はほとんどが彼を批判する、あるいは攻撃するホームページであふれている。つまり、いかに「敵」が多いことかと実感できるはずだ。永田氏は普段から容赦なく相手を攻撃するタイプの人物なのだろう、その分「敵」も数多くつくってきた。もしかして、今回の「偽メール騒動」はけっこう根の深い、「永田落とし」の謀略ではないかと、私の嗅覚は働く。

  この後は、民主の前原代表の責任問題に当然シフトする。辞任となれば、後継は小沢一郎氏以外に人物はいないだろう。もう「脇の甘い」若手に党をゆだねることはできないからだ。小沢氏が代表になれば、旧・社会党系などが拒絶反応を起こし、ひと波乱起きることは目に見えている。6月30日の国会の会期末までゴタゴタが続き、その後は一気に自民党の総裁選が耳目を集める。9月にはそれも決着し、新総裁、新総理へと政治は流れる。長い長い政治の季節が続きそうである。

(写真:ミケランジェロ作「最後の審判」から)

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