☆続・ブログと選挙

    私は反省したい。公示前の8月26日と27日付「自在コラム」で、小泉総理は選挙最終盤になって「年金の一本化を郵政民営化法案の可決直後に着手する」とブチ上げ、来年9月以降の総裁任期の延長を受け入れるだろうとの内容の予測を書いた。しかし総裁任期の延長について、小泉総理はいまでも否定している。当時の森喜朗氏らの総裁延長発言から推測したのだが読み違えてしまった。つまり、結果として「飛ばし」となってしまった。

      小泉総理の任期延長論は8月25日、自民党本部で小泉総理や森氏らが弁当を食べながら何かを話し合い、森氏が当日のテレビ朝日の番組(収録)で延長論をほのめかしたことによる。真実はどこにあるのか。前回に引き続き、同党の世耕弘成広報本部長代理(参議員)のブログ「世耕日記」に記されている当時の模様を引用してみる。

   「…小泉総理が党本部へやってくる。居合わせた森前総理、武部幹事長、二階総務局長と私とで総裁室で夕食、雑談。『今日はおいしい弁当だ』と森さんはうれしそう。やっぱり森さんと小泉さんは長年の盟友だ。干からびたチーズ事件の後遺症など微塵も見えない。」(8月25日)

   確かに文面を読む限り、「重要な話し合い」があったような緊張感というものが伝わってこない。要は和やかに夕食の弁当を食べていただけなのだろう。総理総裁、総裁派閥の会長、幹事長ら党幹部が集まったからと言って何か重要なことが話し合われたというのはちょっと早合点だった。このブログを先に読んでいれば「飛ばし」もなかったかもしれないと今は反省している。

    でもすごい世の中になった。国会議員がブログを書き、それを我々が読めて、政治の奥の部分を垣間見ることができるのである。もちろん政治家は都合の悪いことは書かないだろう。しかし、事象の前後左右をつなぎ合わせれば全体像が見えてくるものだ。そして嘘もバレる。ブログというのは国会議員へのチェック機能になったり、あるいは議員のアピールの場になったりとさまざまな役割を担うのではないか。その書き込みの誠実さが有権者に伝われば信頼され、そして支持される。

 ⇒18日(日)朝・金沢の天気  晴れ