
結果は自民の圧勝。「自民296議席」だが、実質「297」だ。比例代表の東京ブロックで、自民は8議席を獲得できる票を得ながら、重複立候補の小選挙区当選者を除く名簿登載者が7人しかいなかったため、1議席は結果的に社民党に割り振られたのだ。これは誰も予想しなかった。都市部での自民支持のすさまじさが数字となって現れたかっこうだ。
話題をローカルに転ずる。きのう(11日)午前、金沢は土砂降りだった。石川県加賀地方には大雨洪水警報が発表された。北信越高校野球の県大会も6試合のうち5試合が雨で順延となった。当然、投票の出足に影響をもたらすと想われたがフタを開けてみると、石川1区は68.71%(前回59.58%)と9ポイントも上回った。予想外の投票率。そして自民の馳浩氏が2万9千票余りも差をつけて民主の奥田建氏を振り切った。投票率の上昇効果で無党派層を取り込んだのは自民だった。
圧勝した小池百合子氏(東京10区)やかろうじて逃げ切った片山さつき氏(静岡7区)、健闘した堀江貴文氏(広島6区)の戦いぶりを見ると、もはや「地盤」や「看板」という選挙のキーワードは通用しなくなったように思える。この結果を見て、投票前に会った元金沢市会議員のNさんの言葉を思い出した。N氏はこう言った。「市会議員は県のことを、県議は国のことを、国会議員は世界と日本のことを考えるべきだ。有権者はそう願っているのではないか」と。つまり大きなテーマで1票を投ずることの醍醐味を有権者は味わいたいのである。日本の選挙は「しがらみ」や「地縁」という旧態依然としたあり方を超えて、本来あるべき政治の姿へと脱皮したのではないか。
テレビを見ていて、小泉総理の言葉が耳に残った。「民主の失敗は郵政民営化に反対したことだ」。そして、視覚として残ったのは、小池百合子氏と小宮悦子キャスターの2人はとても顔が似てきたこと。後者はロイヤル・サルートの酔いのせいかもしれない。自民の1強時代に入った。組閣も早いだろう。
⇒12日(月)朝・金沢の天気 晴れ