☆ブログと選挙とホリエモン

    来月26日と27日に「放送ゼミ」の集中講義があり、学生に夏休みの宿題を出した。テーマはズバリ、「2005年総選挙でインターネットのブログはどのような役割を果たしたか検証せよ」だ。

     本来の選挙スケジュールにはなかった総選挙が降って湧いたようにやってきた。これは、マスコミを志望する学生にとってチャンスだ。在学中に選挙というものを考え、ディスカッションするということは就職活動の筆記や面接に役立つだけでなく、選挙と切ろうにも切れない人生を送るわけだからとてもプラスになる。「選挙は民主主義の普遍的なテーマなのだ」と学生に発破をかけた。

    その論点として、日本において選挙に積極的に参加する意思の現れとして「勝手連」や「草の根選挙」といった市民の自発的行動があった。ところが、文明の利器としてのインターネットが1980年代から勃興し、いまではブログという個人がコストをかけなくても自由に意見発表ができるツールにまで発展した。日本でも335万人(総務省調べ・3月末)のブロガーがいて、その数は日ごとに増えるという盛り上がりを見せている。このブログ層が選挙に及ぼす影響についてきちんと分析することは今後の選挙のあり方を考える上で重要なポイントとなる。ブログが全盛期を迎えて初めての国政選挙だけに、おそらく各大学の計量政治学のゼミも取り組み始めている横一線の研究だと推測する。

     ところで、ライブドアの堀江貴文社長が「どうせなら亀井静香氏の対抗馬になりたい」と意欲を燃やしているという。「どうせ買収するならフジテレビ」と言ったあのツボ狙いの感覚が今回も。名を得ずとも、実をしっかりと獲得するホリエモンはすでにこの時点で勝っている。というのも堀江氏の「出馬」でライブドアのホームページのページビュー(閲覧数)はこの8月で月間5億に達する、と業界筋は読んでいる。

     ここで選挙日程と、選挙でどこまでインターネットが使えるか確認する。総選挙の公示は8月30日、投票は9月11日だ。公職選挙法では、公示日から投票日までは立候補者や政党はホームページの更新や開設が原則禁止となる。候補者はもちろん、関係のない個人であってもメールやブログ、掲示板で特定候補への投票呼びかけは禁止である(違反した場合、2年以下の禁固、もしくは50万円以下の罰金)。つまり、堀江氏がインターネットをフルに活用できるのは8月29日までとなる。全般的に言って、今回の総選挙は8月29日までに白黒がつく可能性がある。選挙の争点がはっきりしていて、案外有権者に迷いは少ない。小選挙区で候補者が出そろった段階で勝負が決まるのではないか。「1」か「0」か。これを「デジタル選挙」と言っては早計に失するかもしれないが・・・。

 ⇒19日(金)朝・金沢の天気    晴れ