☆オフィスは築280年古民家

 私が「地域連携コーディネーター」として勤める金沢大学のオフィスはおそらく東京・六本木ヒルズと好対照を描く建物だと思います。

 何しろ、白山ろくの風雪に耐えて280年、手取ダムの水底に沈む危機にさらされたとき、地元の村の文化財として移築、残りました。そして金沢大学のキャンパスに今年4月に再度移築しました。幾度も蘇生する丈夫さ、危機を乗り超える運の強さは「国宝級」ではないかと、この家を眺めながら思うのです。

 コーディネーターの誘いがあり、この古民家を初めて見たとき、「やってみよう」と決断しました。圧倒的なその存在感に心がぐらりと揺れたのです。今この家を実際にオフィスとして使って、あと100年ぐらいは風格を保ちながら耐えるのではないか思っています。しかし、六本木ヒルズがあと100年持つかどうか、私には分かりません。