★冬に咲く寒紅梅の彩り トランプ流「ドンロー主義」の赤ネクタイ

冬に咲く梅の花のことを「寒紅梅」と呼ぶ。金沢の中心街にある尾山神社の寒紅梅はとくに早咲きで=写真・上、8日午後4時ごろ撮影=、参拝がてら多くの人々が観賞に訪れている。寒冷前線が活発なこのころ、小さな花をさりげなく咲かせる寒紅梅を眺めると心が安らぐ。

もう14年も前の話だが、寒紅梅を見て俳句を詠んだことがある。「蔵人の 麹揉む手や 庭の梅」(2012年1月句会)。造り酒屋を訪ねると、ムッとする麹室(こうじむろ)の室温は43度を指していた。蔵人(くらんど)=酒蔵の職人=が床で蒸し米を揉みほぐし、種麹が入った缶を持った手を高く上げて、揉み床に沿って移動しながら缶を振り、麹の胞子(種)をまいていく。根気の入る仕事だ。麹室から出て、酒蔵の庭を見ると寒紅梅が咲き始めていて、麹を揉む蔵人のほてった赤い手と同じ色だと思った。

話は変わる。アメリカのトランプ大統領の疑心暗鬼は特に外交分野などに及んでいて、国連に対して警戒感を募らせている。国際機関の有効性や費用、説明責任について繰り返し疑問を呈していた。「アメリカの利益にかなっていない」と。その第一弾が就任早々の去年2月にWHO(世界保健機関)から脱退すると表明し、大統領令に署名した。発効は1年後なので、まもなく1月22日に脱退する。その後も、国連への資金提供を削減し、国連人権理事会へのアメリカの関与を停止、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)への資金提供を停止、ユネスコ(国連教育科学文化機関)からも脱退した。(※写真・下は、トランプ大統領による国連機関の脱退を伝えるBBCニュースWeb版)

さらにトランプ氏はきょう(8日・日本時間)、アメリカの国益に反するとして、31の国連機関と35の非国連組織からの脱退や資金拠出を停止するよう各省庁に指示する大統領覚書に署名した。UNFCCC(国連気候変動枠組条約)やUN Women(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントに取り組む国連女性機関)、UNFPA(家族計画と母子保健に焦点を当てた国連人口基金)、UNU(国連大学)などだ。トランプ氏は2025年9月の国連総会での演説で、国連が紛争解決で機能していないと批判していた。これは、あえて世界に介入しないトランプ流のモンロー主義(通称「ドンロー主義」)なのか。

イギリスのBBC(8日付)は「Trump withdraws US from key climate treaty and dozens of other groups」の見出しの記事で=写真・下=、ある意味でアメリカの国内問題でもあると指摘している。「アメリカ合衆国憲法では、大統領は『出席した上院議員の3分の2が同意』した場合に国際条約に加盟できると定めているが、脱退する場合については明記していない。そのため、今回の動きは法的な異議に直面する可能性がある」(日本語版)。意訳すれば、脱退するのは簡単かもしれないが、政権が代わって加盟を求めるとなると、これはこれで大変。アメリカの大きな国内問題になるかもしれない、と解釈した。

⇒9日(金)午前・金沢の天気  ゆき