★のとキリシマツツジを守るNPO法人に「松下幸之助賞」の栄誉

深紅の花をつける能登の花木と言えば、「のとキリシマツツジ」が代表的だ。素封家の家々では座敷から眺めるこの花木を大切に育ててきた。かつて九州地方から伝わったキリシマツツジの亜種とされる。街路で見かけるツツジよりも花は小さく、真っ赤な花を咲かせるのが特徴。樹木の成長は遅く、樹齢400年でも高さは3㍍ほどとされる。見事に咲き、しかも小ぶりなので庭木の主役の一つとして能登では重宝されてきた。

のとキリシマツツジの保全活動に取り組んでいるNPO法人「のとキリシマツツジの郷」(能登町)が、松下幸之助記念志財団による「第34回松下幸之助花の万博記念賞」の松下正治記念賞に選ばれたと地元メディア各社が報じている(今月17日付)。記念賞は、自然と人間の共生に貢献する活動をテーマに個人や団体を表彰している。今回、NPO法人がのとキリシマツツジの古木調査や保護、普及活動に長年取り組んできたことが評価された。

毎年3月中ごろに、のとキリシマツツジの鑑賞会が金沢市で開催されている=写真=。能登の庭では4月中ごろから5月中旬にかけて見頃を迎えるが、植木鉢を温室に入れることで開花時期を調整し、早めのお披露目となる。金沢の市民にもこの花木のことを広く知ってもらい、実際に能登に足を運んでほしいという想いを込めている。受け入れる能登では、この時期に庭先を開放する「オープンガーデン」を実施し、家々で自慢ののとキリシマツツジの古木などが観賞できる。能登半島地震で家々は少なからず被災したものの、来年ものとキリシマツツジはいつものように美しく迎えてくれるだろう。

話は変わる。今月16日に開かれた石川県議会の予算委員会で自民党の重鎮議員が、金沢市内にある陸上自衛隊の駐屯地を能登に移転してはどうか提案した。これに対し、馳知事が「議論を喚起する価値がある」と答えたことが議論を呼んでいる。地元メディア各社の報道によると、提案した福村章県議は「能登半島地震からの復興には起爆剤となる事業が必要だ」と前置きし、「隊員と家族で2000人を超える移住で、能登の活性化を見込める」と強調した。

この発言をニュースで知って、「孤立」という言葉が浮かんだ。これは能登地震で大きな問題となったが、半島という地形で主要道路が崩壊するなどした場合、半島の尖端部分h孤立化する。実際、金沢と能登を結ぶ自動車専用道路「のと里山海道」は北部を中心に道路が20ヵ所余りで崩れ、通行可能になるまで7ヵ月余りを要した。今後、この提言はどのように展開していくのか。

⇒19日(金)夜・金沢の天気  はれ