☆冠雪の白山を眺め 紅葉の那谷寺を歩く

紅葉も散り始めている。きょう午前中は寒冷前線も遠ざかり、石川県内は秋晴れだったので、加賀地方へドライブに出かけた。小松市の木場潟周辺は白山がよく見えるので向かった。

白山は今月18日からの寒波で冠雪していた=写真・上=。「風かをる越しの白嶺を国の華」。江戸時代の俳人、松尾芭蕉が『奥の細道』の旅で加賀を訪れたときに詠んだ句だ。白山のまわりには、さわやかな風が吹き渡っていて、まるで国を代表するような山だ、と解釈する。白山は北陸3県(石川・富山・福井)のほか岐阜県にまたがる標高2702㍍の活火山で、富士山、立山と並んで「日本三名山」あるいは「三霊山」と古(いにしえ)より称される。奈良時代には禅定道(ぜんじょうどう)と呼ばれた登山ルートが開拓され、山岳信仰のメッカでもあった。2023年5月に白山と下を流れる手取川がセットになってユネスコ世界ジオパークに認定されている。

木場潟周辺から白山を望むと、ふもとの山々は紅葉の盛りで、白山の冠雪の白さがいっそう引き立つ。山容は穏やかでやさしいが、ひとつ気になったのは眺望所の「クマの出没注意」の貼り紙。クマよけの鈴を無料で貸し出すとのこと。「白山を眺めるもいいけど、油断しないで」との行政の配慮なのだろう。

その後、小松市にある名刹、那谷寺(なたでら)を訪れた。「石山の石より白し秋の風」。芭蕉が那谷寺で詠んだ『奥の細道』の句だ。奇岩がそびえ立つ景観で知られ、紅葉の名所でもある。境内ではモミジや、カエデなどが赤々と燃えて、見事な景観だった=写真・下=。

境内を巡っていて、「紅葉良媒(こうようりょうばい)」という四字熟語が脳裏に浮かんだ。男女のカップルが紅葉を見に行くことがきっかけとなって良縁が結ばれるという意味の言葉だ。さらに、奇岩がそびえ立つ那谷寺はパワースポットとしても知られ、若い人たちにとっては人気がある。

展望台から臨んだ「奇岩遊仙境」(国の名勝指定)。遊仙境には、寺でありながら赤い鳥居と稲荷社が点在するのが見える。パンフによると、奈良時代に創建された白山信仰の寺院とのこと。確かに、那谷寺の周辺から白山が見え、青空に映えた冠雪の白山はじつに神々しい。神社のような寺、そんな雰囲気を感じた。ちなみに拝観料は大人1000円。強気な価格設定だ。

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