去年元日の能登半島地震と9月の記録的な大雨の被災地をめぐると、農地のダメージがいたるところで目に付く。地震で水田や畑地に亀裂が入り沈下、農道や水路でも亀裂が目立つ。法面が崩れたため池も見かけた。豪雨では、水田に土砂や流木の流れ込みが目に付いた。そうした農地も徐々に以前に戻りつつあるようだ。

石川県のまとめ(11月14日発表)によると、能登地震と豪雨で被災した農地2800㌶のうち、7割にあたる2000㌶で営農が再開された。再開に至っていない800㌶のうち、水路の損傷など生産基盤に原因がある500㌶は被害規模に応じ3つに区分して再開を進めている。被害が小さい200㌶は2026年の再開を目指す。中規模被害の150㌶は測量設計などを進めて2027年の再開を目標とする。大規模な崩落など被害が深刻な150㌶は今年度中に復旧方針を決め2027年に工事に着手、2028年以降の再開を目指すとしている。(※写真・上は、亀裂が入った輪島の白米千枚田=2024年3月4日撮影)
問題は、金沢など他地域への避難や移住などで耕作が再開されていない、人的な要因による300㌶の農地。県では今後の営農意向を把握するため、本来の耕作者800人に現在、アンケートを実施している。今月(11月)末までに回収を終わらせ内容を分析する。結果をもとに「奥能登営農復旧・復興センター」(穴水町・2024年11月設置)が農地利用に向けた話し合いを本来の耕作者と進める。また、外部からの農業スタートアップの募集も視野に入れ、耕作を受託する農業者との仲介などマッティングも行うことで、営農の再開に結び付けていくとしている(今月14日・馳知事会見)。

話は変わる。これも県の発表(11月14日)。能登地震以降で中止が相次いでいた能登の祭りについて、ことしは地震前の半数となる119件まで復活したことが分かった。地震の前まで226件の祭りがあったものの、地震の後は担ぎ手が確保できないなど、去年は68件に留まっていた。県では神輿や奉灯キリコの担ぎ手を派遣する祭りボランティア「祭りお助け隊」を設置するなどし、祭りの復活を支援。あばれ祭(能登町宇出津)やお熊甲祭(七尾市中島町)など、要望のあった21の祭りに451人を派遣した。(※写真・下は、「イヤサカヤッサイ」と若者たちが声を上げて担ぐあばれ祭りのキリコ=2025年7月4日撮影)
馳知事は発表当日の記者会見で能登の祭りに意義について語った。以下要約。「祭りお助け隊として参加した方からは、祭りの開催に貢献ができ、貴重な経験となった。祭りへの参加を通じて能登がもっと好きになった。来年以降も是非参加したいといった感想が寄せられた」、「祭り実施団体からは、祭りの開催が復興に向けた弾みとなった。祭りお助け隊との交流を通じて、自分たちの祭りの価値を再認識し、祭りを継承する意志が強まった。こうした声をいただき、一つでも多くの祭りが再開し、能登が元気に復活することを願っております」
被災農地の復旧は7割、伝統の祭りの復活は5割・・・。能登のキリコ祭りは豊作・豊漁を祈る祭りでもあり、一次産業と一体化した伝統的な催しでもある。徐々にではあるが、こうした数値から能登復活の足音が響いてくる。行政のアイデアと努力には敬意を表する。
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