★高市総理が施政方針演説 「食料品の消費税ゼロ」は可能なのか

「成長のスイッチを押して、押して、押して、押して、押しまくってまいります」。きょうNHKで高市総理の施政方針演説=写真=を視聴していて、印象に残ったのは、このコメントだった。去年10月の自民党総裁選の決選投票で小泉進次郎氏を破り、その決意表明で発した「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」を彷彿とさせるような演説だった。

この「押して、押して、押して・・・」のコメントの背景として挙げていたのが、官民連携による投資の促進だった。「量子、航空・宇宙、コンテンツ、創薬などの17の戦略分野への多角的な支援」、「貯蓄から投資に向けた資産運用立国の取り組み」と。高市氏は「長年続いてきた過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切る」と力説し、経済の地力を示す潜在成長率の低迷に言及して、「圧倒的に足りないのは資本投入量、すなわち国内投資だ」と指摘していた。

演説の勢いはよかったが、果たしてうまく回るのだろうか。たとえば、「責任ある積極財政」という言葉。少子高齢化のただなかにある日本で積極財政に向うとしても、債務の返済などその責任を最終的に取るのはどの世代なのか。言葉自体が矛盾してはいないだろうか。また、衆院選で与党が公約した食料品の消費税率を2年間ゼロにすることを実現するため、超党派の「国民会議」を立ち上げ、夏前までに制度設計をまとめ、関連法案の早期提出を目指すとした。これにむしろ疑問を感じた。

もし本気で食料品の消費税をゼロする方向ならば、今国会ですぐにでも法案を出せばよいのではないだろうか。自民は単独で衆院の3分の2の議席を有しているので、参院で否決されたとしても衆院で法案を再可決できる。それをわざわざ超党派の国民会議に委ねる意味がどこにあるのだろうか。むしろ、「逆説」という言葉を想起してしまう。消費税ゼロを公約に掲げたものの、実現するための年間5兆円の財源のメドは立っていない。そこで、国民会議での議論を紛糾させ、結局やらないという結論に持っていく布石ではないのか、と考えてしまう。

衆院選の熱が冷め、選挙公約に掲げたもののやれることと出来ないことが現実に見えてきた。そんなことではないのか。あくまで自身の憶測ではある。

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